リンパ浮腫治療に役立つコラム

 


この間テレビに有名な女優さんが出演していて、顔のリンパマッサージを10年続けていると話していました。ごく簡単にですがその方法を披露されていましたが、やはり「さする」方法でしていました。順番も頚から始めるのではなく、額や目の周りなどから始めていました。このようなセルフマッサージ法を最近多く見かけますし、来院するリンパ浮腫の患者さん方もその様に教わったとおっしゃています。教えている方々も専門に勉強された方々なのですが、教わる方が覚えやすいようにするあまり、原理原則を踏み外しているケースです。
このホームページの他の場所にも繰り返し書いてある通り、リンパマッサージは少し分かりにくい部分もありますが、何回か繰り返し練習すれば思われているほど難しい方法ではありません。「すぐ使える」ように簡単にし過ぎてしまった結果でしょう。もちろん、それで十分な方もいるでしょうが、より正確な方法を知っておくべきであると考えます。
リンパマッサージの場合は、リンパ液が流れていく目的地を最初にマッサージして受け入れスペースを作り、そこへリンパ液を誘導していくことが原則です。ここで取り上げた顔のリンパマッサージの順番についてはセルフマッサージのページに書いてありますが、順番としては「鎖骨の上のクボミ」が最初で、そこへつながっている「頚部」、頚へ合流する「顎」「頬」・「鼻」・「目の周囲」・「額」と下から順番に、そして真ん中から外へと移動します。
 

 
 
マッサージのタッチも違ってきます。「さする」方法は皮膚に摩擦を起こし、部分的な充血を生み出します。充血はリンパ液の増加をもたらすので、リンパマッサージの時にはなるべく充血を避けるようにします。そのために、皮膚と施術する手の場所は軽く密着させたまま移動させません。移動すると摩擦が起きるからです。オイルを使ったり、パウダーを使っても皮膚の上を手が滑ると、抵抗は少なくなっても摩擦は起きます。ですから、施術する手の移動はしないのです。これがセルフマッサージをする時に皆さんが混乱するところです。滑らす方が「流している」というイメージをしやすいのです。軽く密着させた手で皮膚にシワを作るように「ずらし動かし」ます。これは一度施術を受けて実感することと、よく観察することでできるようになります。「難しくてできないから、私はさすります。」という方も多いのですが、せっかく時間をかけてマッサージするのですから、ぜひ正確な方法をして欲しいと願っています。