浮腫のためのセルフマッサージ

マッサージの基本


◎顔面部・頭部のドレナージュ
顔面全体を軽擦してから始める。
手技:皮膚に当てた手や指先を、皮膚上を滑らせないで同じ場所で円を描くように皮膚にずらしを加える。<Stehendekreise(独)、Stationaly Circle(英)、ここでは描円手技と仮称>
皮膚をずらすように以下の順番で行う
①鎖骨上窩 ②側頚部(上下2)③後頚部を(上下2)④耳前頬部 ⑤オトガイから頬角  ⑥人中から頬角 ⑦鼻尖から耳前 ⑧鼻元から耳前 ⑨側頭部から側頚部 ⑩後頭部から側頚部 ⑪前額部から側頭部 ⑫頭頂部から側頭部 
マッサージで手や指を当てる大きさは、その部位の広さに合わせて行う。なるべく大きく当てる。
排出先付近から始めて徐々に中心部へ移行する。
中心部まで移行したら、中心部から排出方向へもう一度マッサージ。 
⑫まで終えたら全体を軽擦する(さする)。
下顎骨の下側・眼窩付近・耳介のマッサージを加えても良い。 


腕のリンパ浮腫


◎ 腕のドレナージュの順番
リンパ浮腫の方の場合は、健常な方の場合とは排出目標が違ってきます。
乳がんで腋の下のリンパ管などが除去や傷害を受け、腕のむくみが発生している場合、患部と反対側の腋の下が主な目標になります。患部と同じ側の腿の付け根も目標にできます。 鎖骨の上の窪みも目標とすることが出来ますが、放射線が照射されている部位はマッサージできないので、注意が必要です。順序は目標箇所から始め、その後隣の部分をマッサージし、更に隣へと移動します。「マッサージの順序」の項を参考にして、徐々にむくみのある腕の肩甲骨付近まで移動してください。ここまでが腕のむくみを取り込みやすくするための下準備、体の環境造りです。腕のマッサージは肩甲骨部分を目標にして同様に行います。腕の内側・外側・裏側を意識して、手を腕に密着させてマッサージします。肘の周囲、手首の甲側、手の甲、指にむくみがあれば1本ずつ丁寧に行います。排出方向は常に肩甲骨方向ですが、マッサージする部分の移動方向は手や指先になります。ここが少し混乱しやすい点ですが、「マッサージの順序」を思い出して下さい。
◎右腕にむくみがある場合の例です。右鎖骨の下の灰色の部分のように放射線照射があった場合、太い矢印のようなマッサージは行いません。その下の黒の矢印はソケイ部へ向かう場合の方向です。照射されていない部分から下のルートになります。 心臓へ向かっている細い矢印は、体の内部を通って排出されるルートを示しています。腕は肩から肘まで・肘から手首まで・手掌と3つ程度に分け、手を出来るだけ広く当てて「ずらす」ことを繰り返します。手の大きさによって1つの部分も3~4部位に分けられます。上に書いてあるように内側・外側・裏側を肩甲骨方向へ、手の甲や指は手首の甲側に向かうようにマッサージし、手の平の中央部分は手首の掌側に向かいます。マッサージをする時にテーブルの上にクッションなどを置き、その上に腕を置いて腕が疲れないように、そして腕の筋肉が緊張しないようにすると便利です。


脚のリンパ浮腫


◎ 脚のドレナージュの順番
子宮がん・卵巣がんやその他のがんの治療のため、骨盤腔内のリンパ管・リンパ節の切除などが原因で発生する脚・足の浮腫の場合のセルフドレナージュの場合も健常な方の場合と排出目標や経路が違ってきます。
◎左脚にむくみがある例です。基本的には浮腫のある脚と同じ側の腋の下が目標となります。本来は左の腿の付け根へと排出されるのですが、リンパ管・節が傷ついているのでそこへ集めてくることはせずに、付け根に近づいたら内側は内腿を通って臀部へ、外側は臀部の外側を脇腹方向へ排出します。恥骨の上などに浮腫がある場合は外側の上方向へ向かって脇腹方向へ排液します。腹式呼吸による腹部の圧力変化により、腹部の深い所にあるリンパ管を刺激してリンパ液の排出を補助します。順序は最初に腹式呼吸をします。その後腋の下から始めて胸脇・脇腹と進め、臀部外側まで行います。これが体に対する下準備です。上半身をドレナージュするのが困難な場合は臀部から始めることになります。
ソケイ部は避けますが、その他は通常のドレナージュと一緒です。目標箇所から始め、その隣、更にその隣へとマッサージする場所を移動して行き、最終的には足の甲や趾まで到達します。


椅子・台を使って


◎ 脚のドレナージュの場合、大腿部の後側やフクラハギがマッサージしにくい時は椅子や足台を使っても便利です。