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2)臀部・脚のツボ

背中・臀部・脚のツボ



①身柱(第三胸椎の下) ②肺兪(身柱の外側)
③膏肓(眉毛の内側の端) ④膈兪(第7胸椎下の外側)
⑤腎兪(第2腰椎下の外側) ⑥大腸兪(第4腰椎下の外側)
⑦臀部のクボミ(梨状筋や中殿筋) ⑧肩井(僧帽筋の前縁の真上)


1.は小児の「夜泣き」「疳の虫」封じのツボとして有名で、精神作用と関係が深い場所です。不眠・頻繁に目が覚める、夢見が多く寝た気にならないなどの時は、この付近が硬く緊張している事が多いと言えます。2.や3.付近まで緊張が及びます。頚と並んでストレス反応が出やすい場所と言えます。
背中の上部は鼻の疾患で紹介したように呼吸器疾患に多用します。風邪をひいたときなどは1.付近の脊椎がデコボコしているのに気付きます。2.はその名の通り肺のツボです。 寝違いの場合にも3.やその内側の厥陰兪付近にコリがあり、引きつれ感や痛みを感じます。筋肉も頚と関係しているので、この付近の緊張は頚肩の不調に大きく関係します。



背中の下部は泌尿器系の「兪穴」が並んでいます。5.6.や臀部にかけて「小腸」「膀胱」といった順になり、治療に用います。婦人科疾患の場合には仙骨付近のツボも治療対象になります。灸などで温めると気持ちよく、効果があります。
腰痛では、腰の筋肉がこの部分にあるので当然治療対象です。鍼灸では「腎」は冷えに弱く、足元の冷えが5に影響し腰痛と関係深いとしています。また、お腹と表裏の関係にあるので腰痛の治療で来院され、お通じが改善する例は意外と多くあります。



背中の中部は消化器系の「兪穴」が並んでいます。4から下には「肝」「胆」「脾」「胃」の順で、重要なツボの集団です。背中と腹部は表と裏として相互に関係していると考えられています。背中のほか消化器系の不調には脚や足のツボも用いられます。胃酸過多・胃もたれ・胃腸炎・胃腸の動きが悪い場合などに使用します。



腎臓や心臓などの疾患が無く、リンパ管も障害されていない方の場合、鍼灸では昔から「むくみ取りのツボ」が使われています。もちろんそのツボだけでなく、水分を調節する背中にある「腎」のツボの働きを良くすることで脚や顔のむくみを治療してきました。「腎」と関係する足の裏やかかと、足首にあるツボも多く使われます。


臀部・脚のツボ



①臀部の中央(窪み)  ②承扶(臀部のシワの中央)
③委中(膝裏の窪み中央) ④承筋(ふくらはぎの真ん中)
⑤三陰交(内くるぶしの上方)  ⑥失眠(かかとの中心)
⑦湧泉(足裏、趾付け根の中央)   ⑧足三里(スネの外側膝の下方)
⑨ふくらはぎの下方部   ⑩大腿部の外側
⑪大腿部の外側で膝の上    ⑫スネの内側の骨の際



臀部にもたくさんのツボがありますが、1.は腰痛の場合に最も反応の出る部分と言えます。仙骨際や股関節周囲にもポイントが多くあるので、圧痛があるポイントを探して圧迫すると効果があります。臀部は骨盤内の臓器である泌尿器や生殖器と関係しているので、生理不順などでも重要であり、また妊娠中は刺激する場合に注意が必要です。5.のツボも特に女性特有の不調に関係が深く、反応が出やすく非常に重要です。



腰痛には腰だけでなく臀部も含めた下肢全体の治療が不可欠です。2.のツボでは大腿部のスジが硬くなっている事が判ります。坐骨神経痛の場合も強く反応が出ます。3.のツボまたはその内側も腰痛の場合に良く使用されます。ふくらはぎやアキレス腱といった真後ろのラインが硬くなっていて、9.を含むこのラインを緩ませることが腰痛治療には不可欠で、腰痛予防の場合にはここの部分のストレッチが効果的です。また、10.や11.も緊張している事があり、軽く叩いて緊張緩和させると良いでしょう。



6.はむくみ取りのツボとして良くお灸で使用します。この場合のむくみは泌尿器系の働きが落ちている場合のもので、足の裏は「腎」に属しているので7.も関係しています。WHOで認められている足の裏の正式なツボはこの7.だけです。



8.は健康全般に良いとされているツボです。「胃」に属しているツボなので胃の働きを活発にします。またこの場所はつま先を上げる筋肉の上にあるので、脚の疲れに効果的です。「三里に灸をしない人とは一緒に旅をするな」と江戸時代に言われたくらい健脚のツボです。