- Aqua Training

水中運動(3)

 高齢者

高齢者には老化現象のため様々な運動器や心臓循環系の問題がしばしば発生します。水中運動を始める前に医師の診察を受けたり、危険性のある事柄について事前知っておく必要があります。
特に注意するべきなのは血液循環系疾患では、水中運動は陸上での運動より血液循環系に負荷がかかることです。水は心臓方向へ血液移動させるため血管に圧の増強を促します。そのため心筋に対しての負荷上昇と必要酸素の増加となります。冠状動脈硬化症の人の場合には、心筋に酸素が充分に供給されにくいという併発症が起こります。
高血圧症も同様です:定期的な運動は長期的に見て確かに血圧の低下をもたらしますが、実際には人が水につかると血圧は一旦上昇します。そのため運動の開始時には運動プログラムの量を正確に定めておかなくてはなりません。水の熱伝導率は高いため、体は温度低下に反応して刺激反射によって末梢から体の中心方向へ血液を送り出し、同時に心拍数が減少します。特にβブロッカーなどの心拍数を少なくする薬を服用している場合は、医師に指示を仰ぐ必要があります。年齢に応じて肺胞と肺組織の弾力性は低下し、それにより呼吸が浅くなるためです。ですが、運動によって呼吸の補助筋は強化され、長期に亘って肺活量を改善する効果があります。
水中でのトレーニングはもちろん運動器に対しても良い方向に作用します。特定のトレーニングによって関節部の新陳代謝は確保され、増進されることが出来、退行性現象の進行(いわゆる老化現象)にブレーキがかけられ、運動性能は維持が可能になります。
 

体重過多

体重過多の人がスポーツする時には、多くの場合自転車や軽めの運動トレーニングなどといった関節を保護しながらのスポーツに限局される必要があります。これに対して水中では、浮力により体重が軽減されるので、走ったりジャンプしたりすることさえ出来るので有利です。また心臓の血液循環に負荷をかけることで代謝の増強がもたらされます。
水中では温度調整によって付随的に代謝を刺激し、単に立っているだけでも基礎代謝エネルギーは既に高くなっています。脂肪組織の厚さによりますが、25℃程度の水温では代謝エネルギーは20~30%上昇するともいわれます。
食事を抜く方法で短期間にダイエットすることは非常に困難であり、減量は多大な努力を必要とするとても長い過程である事を理解する必要があります。合理的な食餌と多くの運動とにより成果は早期に現れ、継続も可能になります。反対にクラッシュダイエットと呼ばれる極端な方法では、最初の数日内に数㎏減量するが、大変な努力でした食餌制限を止めると短期間で直ぐに全てが再び増加に転じます。体は「飢え疲れ」て、運ばれてきた全ての物をなおさら摂取しようとするのです。
炭水化物性栄養は蓄積された全てが燃焼しますが、脂肪は90分後に初めて燃焼を開始する。体重を落とそうとするならば、最大心拍数の50~60%で、出来うる限り長時間の運動を行うべきでしょう。
水中運動は体重過多の人にとって関節保護の運動形態であり、ダイエット法として非常に良く適合しています。そうした適した運動によって弱点や故障箇所を克服する。減量はしばしば組織の弛緩をもたらしますが、水によるマッサージ効果は組織を緊張させ、定期的なトレーニングによって、関節に負担をかけずに適した運動による体形の形成と組織の引き締めにより、減量を成し遂げることが出来るのです。これが体重過多の人に水中運動が推奨される理由といえます。

 骨粗鬆症

骨粗鬆症には水中運動が非常に適しているといわれています。
人間の最大骨量には30~40歳で達し、その後、骨量は継続的に失われていくとされています。骨の外面的構造が変形していなくとも、70歳では30歳時の骨量の2/3でしかありません。骨粗鬆症の明らかな経過は判明せず、年齢が進むにつれて一部は骨折の危険性が大きい骨密度まで減少します。
その3つの主な原因として
〇性ホルモンの欠乏(エストロゲン)
〇不適切な栄養摂取
〇運動不足
が挙げられます。
筋力トレーニングは、骨の合成と維持を促進しますが、水中運動は骨粗鬆症の防止に対して正に抜群に適しています。骨粗鬆症では多くの骨折は不注意による転倒の際に発生しますが、定期的なトレーニングは全般的な反射能力の向上と、それによる転倒の危険性を減少させます。
水中での運動は体育館での運動よりケガの危険が少ないため、心理的に転倒の恐怖を感じにくくします。運動者は水中では転倒を含めたすべての運動にブレーキがかけられることを学習することで自信を強く持つようになり、不安を感じることなく新たな運動に挑戦しようとする意欲が湧いてくるのです。水中運動では危険性が少なく筋力トレーニングができ、ケガの予防となる体性感覚とバランス感覚の改善をもたら効果が期待できます。
高齢者のところで紹介したような様々な効果も安全に挙げることができるため、適した運動法といえます。