漢方で使われるツボの数は書かれた本によって異なります。世界保健機関(WHO)で認定されているものは一応の基準ではありますが、その他によく効くツボとして有名なツボがあったり、独自に使うツボなどがたくさんあります。本などで紹介されているツボを使う場合、正確にそのツボを探すことが難しい場合があります。ツボを探す時には触ってみて他の部分と異なる感触、痛みを感じるといった違和感のある部位を中心に探すことが大切になります。皮膚の上にヘコミがあったり、逆に硬く盛り上がりがあったり、筋張っていたりと、周囲の部分と違う感触を感じる場合です。その他、圧してツンとした痛みを感じたり、逆に感覚が鈍かったりすることもあります。反応に変化が見られるその様な場所がツボと考えられます。ツボは体調を反映する反応点であり、治療する点でもあります。過敏に感じる場合には刺激してその感覚が和らぐまで、鈍い場合には感覚が出てくるまで刺激する事も一つの方法です。



 
ツボと同じくの皮膚の上に触れる変化にコリがあります。
コリは血流が悪くなった部分の筋肉や組織が硬くなった所といえます。コリコリとして盛り上がっていたり、腱やスジがヒモ状に緊張しているところです。英語では「Stiffness」、ドイツ語では「Verspannung」と言い、緊張しているという訳語になります。日本語では硬く固まっていて、ほぐれにくいというイメージが加わります。体の反応が出ている部分であり、治療する点でもあります。
ツボと同様にコリを触った感じには「痛い」と感じる時と「何も感じない」時があります。反応が出ている部分ですから「痛い」と感じる場合が普通で、その部位だけに痛みを感じる場合と、その原因と関係がありそうな部位にも痛みを感じる場合もあります。例えば首のコリを圧すと目の奥やコメカミにツンと響きます。それを圧迫し続けると関連した痛みが軽くなります。
逆に何も感じない硬い部位は、コリが強すぎて感覚が鈍くなっていると考えられます。コリの緊張が取れてくると感覚が戻って来て、痛みや関連する部位の痛みを感じるようになります。この様なコリの状態は痛みを感じやすいコリよりも厳しい状態と考えられ、ゆっくりと慎重に治療を加える必要があります。
コリの緊張を緩ませる場合にも圧す方向や強さといった圧迫の方法などにコツがあり、単純にその場所を圧すだけでは解決しません。また強すぎる圧は腱やスジを痛めることにもなり、モミ返しも起こるので要注意です。
 


 


 
今までマッサージなどの治療にかかったことの無い方がいらっしゃいます。
友人や同僚に肩や背中を触られて「硬い」といわれたり、美容院でこっているといわれて来院される方が時々いらっしゃいます。実際に触れてみると、確かに肩や背中の緊張が強く、硬く張っています。その方は以前に一度だけ腰の痛みを感じたことはあったがスグにそれも無くなり、普段は動きづらさや背中の緊張を感じたことはなかったとおっしゃいます。
コリの感じ方には個人差があり、私たちからするとそれ程こっていないのですが、ご本人は非常につらく感じていたり、この場合の様にコリは強いのだけれども、ご本人は全く苦にならない事があります。ある意味ではつらさを感じない分だけ幸せと言えますが、体の変化に気付かないで放っておくと、ある日突然体が悲鳴をあげてしまうことがあります。
この方の場合でも、施術後は全身の緊張が取れて軽くなり、目はハッキリと見えるようになったとおっしゃっていました。コリに敏感な方もおつらいですが、状態が悪くなリ切るまで放っておかれ回復も遅くなるためコリに気付かない場合も困った状態ともいえるのです。
ただ、マッサージやハリの刺激になれていない方は「モミ返し」などの副作用が出やすいので、その強さについては慎重に選ぶ必要があります。「コリ」が強いからといってグイグイ圧すような事の無いように配慮できる施術者を選ぶことも大切といえます。


 


 
お花見の 季節といえば春ですが、春は体調不良となることの多い季節でもあります。桜に関係した言葉では、「花冷え」「花散らしの雨」、春全体に関係しては、「春に3日の晴れなし」「春の嵐」などの天候の変化に関連した言葉が多くあります。つまり、低気圧や前線が繰り返し通過して行く不安定な気候を示しているのです。体は気圧の変化に影響を受けやすく、また気温の変化に対応して行くことも大変です。そのため春に体調不良となることが多くなります。
一方で春は「木の芽時」といって植物が新芽を出す季節でもあります。人間にも自分自身の古傷や、落ち着いていた以前の病気の芽が顔を出すこともある季節です。やはりこれも気候の影響が考えられます。冬の寒さが終わり、精神的・肉体的にもほっとして緊張感が緩むのも春ですが、そんな時に「気持ち」だけで長い期間抑え込んでいた不調が顔を出す場合です。
長い間不調を抑え込んでばかりいると、体がそれに耐えきれなくなった時に思いがけず厳しい病気の症状となって現れてくることもあり、不調が出てくることはそれ程悪い面ばかりではありません。「大噴火」が起こる前に「小噴火」を起こして「ガス抜き」をしておく方が被害が少なかったりします。
いずれにしても、こまめな体調管理が必要なのが「桜の季節の春」であるといえます。


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