日々の生活では、疲労・仕事・睡眠・気候といった環境・体調・生活の変化などが体に影響を与えています。例えて言えば人が穴の開いたボートに乗っていて、体に入って来るこれらの悪い影響に例えられる水がその穴から入ってきている状態といえます。人はそのボートが沈まないように入ってきた水をかき出しているようなものです。入って来る水の量よりかき出す水の量が多ければ体は健康を保っているといえます。逆にかき出す水の量が少なければ、ボートの中に水が溜まって来ることになります。体調不良の状態です。入って来る量が多少増えても、水をかき出す能力に余裕があればフルパワーにして自然に健康な状態へと戻すことが可能になります。このかき出す力が足りないとボート一杯に水が溜まり、病気となります。
全ての治療はこの能力を目いっぱいに引き出すキッカケを作ってあげることともいえます。鍼灸やマッサージも体の持っている自然治癒力に刺激を与えて、その能力を目覚めさせて活性化させてあげるものです。特に、病気にまではなっていないが、体調がすぐれない場合には治癒力向上のキッカケになります。水をかき出す能力は人によって違うので、自己努力で改善出来てしまう方もいますが、その力が弱い人はこうしたキッカケが必要になるのです。 
また、ボートに入って来る水の量は穴の大きさによって変化しますが、体の状態が悪い、厳しい環境にいるなどはこの穴が大きく開いているといえます。そのためボートに水がたまりやすくなっている状態です。この穴を少しでも小さくすること、つまり病気の原因を取り除く事(治療)が必要です。
常に水をかき出しながら、万一の時には水の入り込む穴を小さくし、かき出す力を増強して良いコンディションのボートに乗り続けることが健康を維持しているといえるのです。 



 
マッサージを受けた場合の強さは、どの位が良いのか?
それは「痛いけど気持ち良い」程度が正解です。刺激の感じ方は人によってずいぶん差があります。軽い刺激でも痛く感じる人もあれば、強い刺激でも物足りなく感じる人もいます。また、左右で感じ方が違うこともあれば、一部分だけ過敏に感じられることもあります。ですから適度な刺激量はその都度「気持ち良い」強さだといえます。
いつも強い刺激を受け続け、慣れてしまうと強刺激でも何とも無く感じます。力士の足の裏やペンダコは典型的です。体は強刺激に対抗して体を守ろうと皮膚や筋肉を硬くします。人が強い刺激を求め続けるとそれに慣れてしまい、満足するためにもっと強い刺激を求めるようになります。マッサージの時にも強い刺激でないと体が緩んでこないようになり、さらに体が硬くなるという悪循環になってしまします。
そんな場合は、多少不満があってもハリでの刺激に変えて何回か治療すると緩んでくるので、その後にマッサージを再開する方法があります。コリなどを一気に取り除こうと刺激を多くすることで、逆に体を硬くしてしまうことがあることを理解していただきたいと思います。
ハリも刺激量が多すぎると、揉み返しのような筋肉痛や症状が激しく出てしまうこともあります。特にハリの初心者には注意を払っています。体がどのように反応してくるかは人によって違うので、慎重に治療を行います。体の反応は遅れて出てくるものも多いので、治療直後と次の日での状態の変化に気を付けて治療しなければなりません。
同じような症状でも時によっては痛みや辛さの感じ方が違うことも経験します。辛かった場所が変わったり、その場所に辛さを感じなくなることもあります。本当に改善したのか、単に麻痺しただけなのか分かりません。触ってみるとコリがひどかったりすることもしばしばあります。その場合、放っておくと後で更に酷い症状となって襲ってきます。要注意なケースです。
体の反応は様々ですので、その時々に合った、タイミングの良い治療を行いたいものです。
ハリでもマッサージでも適度な刺激量は難しいものです。
 


 


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