やさしく解説・リンパマッサージ



1.腕がたぷたぷ、ふくらはぎがタプタプ、顔がパンパン。そんな場合にリンパマッサージ・ドレナージュはとても効果的です。リンパ管が傷ついた病的な症状に対する医学的な治療法としてもヨーロッパでは広く利用されている方法です。健康な方々でもふだんからのケアに取り入れておけば、引き締まった体のために役立ちます。即効性もあって、むくんで指輪が抜けない、指がはれぼったい、起きたら顔がはれているなどのちょっとしたトラブルの時にも対応できます。痛くない、気持ちいいリンパマッサージ・ドレナージュを使ってみてはいかがでしょうか?
2.よく聞くリンパマッサージ・ドレナージュとは?リンパ液をドレナージュ(ドレーン)(排液)することを目的に編み出されたマッサージ法のことです。リンパ管を刺激してリンパの流れを良くして、体の組織の間に留まっている水分や脂肪を取り込むというリンパ管の働きを高めてやることで、むくみや脂肪を減らしてあげることができます。また、副交感神経系を刺激するので、内臓の動きを活性化するなどの体の調整機能を高め、精神的なリラックス効果も期待できます。
3.他の場所にも書いた通り、リンパ管のシステムは「粗大ごみ」の収集ルートと似ています。体が排出するゴミの90%を静脈が収集する「家庭ごみ」とすると、残りの10%がリンパ管が収集しなければならない「粗大ごみ」なのです。この場合の「粗大ごみ」とは蛋白質や長鎖の脂肪であったり、白血球や壊れた細胞の残骸を指し、水分と共にリンパとして取り込まれます。リンパ管がリンパの収集を担当する地区は決まっていて、その地区で集められたリンパは途中にあるリンパ節といわれるフィルターで濃縮や処理をされながら体の6か所にそれぞれある大きな集積所にさらに集められます。そして最終的に心臓へ運ばれることになります。途中にあるリンパ節が腫れてグリグリするのも処理をしているからです。
4.担当地区と集積所は顔と首は左右それぞれの鎖骨の上のクボミ、ウエストから上の上半身と腕はそれぞれ左右の腋の下、ウエストから下の下半身と脚はそれぞれ左右の腿の付け根の部分に集められます。それぞれ左右に分けられます。また集積場所に集まってくる途中では川のようにいくつものリンパ管が合流してきます。
5.リンパ管は静脈と同じように弁があって、逆流しないようになっている一方通行の道路です。どちらの管も筋肉の運動などで管が押されて中を通る血液やリンパ液を送り出す仕組みになっているため、運動することが大切になってきます。しかし、リンパ管が静脈と違うところは管自身が収縮し液を送り出すことです。リンパドレナージュはこの収縮運動を活発にさせ、リンパや脂肪を取り込ませるのです。そのため、リンパドレナージュはダイエットや脂肪の減量に効果があるといわれています。これらのことは浮腫治療のページの「むくみとは?」「マッサージの考え方」も参照してください。

病的な症状に使用されるリンパドレナージュは、病気ではないがむくみがある場合にも役立ちます。むくみとは、リンパ管の途中にあるリンパ節などが受け入れることのできるリンパの量を超えるリンパが流れ込んで来ているため停滞が生じ、リンパ管の外にある体の水分をリンパ管が取り込む余裕がなくなっている状態です。例えていえば、観光地の駐車場が車でいっぱいになっているのに後から後から車が押し寄せてていて、駐車場付近の道路だけでなく、そこに通じている周辺の道路にも渋滞が発生している状況に似ています。
リンパ浮腫の場合は駐車場の能力が100台から50台に減らされたために渋滞しているのです。この渋滞を解消するためにはどうすれば良いのでしょうか?先ず、駐車場付近にあふれている車を他の駐車場に誘導し、そのあとで後続の車を前に進め、これを順序良く繰り返して整理していきます。
病気ではない方の場合は狭い道に多くの車が押し寄せている状況です。駐車場の整理に加えて、この場合はその道を広げてあげることで解決します。もちろんリンパ管を太くするわけにはいきませんので、リンパ管がリンパを送り出す能力であるリンパ管のポンプ活動を活発にすることになります。
リンパドレナージュの送り込む状況は、雪で不通になった鉄道の駅に人が集まっている状況でもイメージできます。浮腫治療法のページ中ほどの「駅であふれる人たち」も参考にしてください。

部位別のドレナージュの順番では目指す目的のリンパ節を挙げていますが、目的リンパ節から心臓へ至る経路上のリンパ管の刺激も必要になります。体にリンパが流れやすい環境を最初に作るのです。これをしないと効率的なドレナージュができないのです。駐車場がいっぱいで混雑しているのに、どんどん駐車場に誘導するので余計に混乱するということです。
空気圧で圧迫するやり方が多く紹介されていますが、それを行う場合にも受け入れ先を作る手間が必要です。また、強い刺激は逆効果になるなど注意事項は多くあるので確認してください。
 

 

リンパドレナージュ・マッサージ



リンパドレナージュがマッサージする場所は、体の表面のすぐ下の皮下組織とそこにあるリンパ管。日本の普通のマッサージは筋肉を目標としているので、それと同じ感覚でグイグイとやってしまうのはNGです。皮膚に手や指を平らにピタリと当て、皮膚の上を滑らない程度の軽い圧を保ったまま、皮膚や皮下組織を一緒に動かし(スライド・ずらし)ます。皮膚の上をさすることもNGです。だからリンパドレナージュにはオイルやクリームは使用しません。服の上からドレナージュすることもNGです。お肌に直接手や指を当てて行うことが基本です。
手を動かす時には1回に1秒かけ、同じ場所を5回程度マッサージしたらすぐ隣の場所へ移動し、この動作を繰り返します。円を描きながら皮膚と皮下組織を同時に動かす感覚がつかめればOKですが、「百聞は一見に如かず」、きちんとしたドレナージュをどこかで体験できれば簡単に納得できます。
施術する部位に力が入っていたり、緊張しているのもNGです。皮膚や皮下組織が動きにくくなって効果的でなくなるので、リラックスした状態や体勢で行いましょう。イスや台・テーブルなどを利用することも考えられます。手の届かない部分や、やりにくい部分もあるので、ベッドなどに横になった状態で施術を受けることが本当は理想的ではあります。
リンパドレナージュはマッサージする部分の状況に応じて、指先を使ったり、手の平全体を使ったりと臨機応変です。使い分けることが大切です。わきの下などのクボミは指先で、背中やお腹の広くて平らな部分は手の平で、といった具合です。施術するのはツボのような点ではなく面で、直接皮膚に触れてスライド・ずらしを加えます。「セルフケアテクニック」も参照してください。

 

           ページトップへ