HOME | コラム東風見聞録

Ost(東)コラム 
「OST」とはドイツ語で「東」という意味です。東洋の治療法とドイツの治療法を取り入れている当治療院の名称です。
治療に関する事・そうでない事、ドイツに関する事・全く関係ない事をコラムとして綴ってみたいと思います。


 ドイツ 1

バーデンバーデン


 
バーデンとは?
 
ドイツでは温泉を使用した治療施設が各地にたくさんあります。「バーデン・・・」とか「バード・・・」「・・・バーデン」と言えばそのような施設のある場所です。
宿泊しながら温泉水を利用したプールで運動を行い、数日から数週間にわたって治療を行うことが出来ます。医師の処方箋が出されれば保険が適用されます。温泉水のプールのあるクーアハウスという施設を中心にして、周囲には病院・サナトリウム・ホテル・コンドミニアム・理学療法治療室などがあって、短期から中長期にわたる滞在型治療を行っています。
有名なバーデンバーデンはそのようなドイツにたくさんある温泉療養施設と、保養・避暑地とを兼ねている場所です。カジノ・競馬場・ブティック・高級ホテルも多くあります。「トリンクハレ」という温泉水を飲む場所も珍しいといえます。
バーデンバーデンには「フリードリッヒス・バード」(Friedlichsbad)という特徴的な施設があります。アイルランド式のドライサウナとローマ式のミストサウナを組み合わせた独特の入浴コースを行っています。シャワーから始まり、ブラシで行うボディソープマッサージ、それぞれ何分と決められた低温・中温・高温の各サウナ、やはり温度の違う温泉水の浴槽(プール)で徐々にクールダウンをし、最後に30分程度、体をシーツでくるみ、毛布で包んでもらい暗い部屋でベッドの上で30分横たわるものです。
急速な温度上昇と徐々に低温の浴槽へ進むゆっくりとした温度変化が心地よいリラックスをもたらしてくれると説明されています。ドイツ語のホームページではトータル3時間程度の滞在が勧められています。

「カラカラテルメ」(caracallatherme)は大規模な温泉施設で、サウナやマッサージが用意されています。
バーデンバーデンの中心部にあるカジノはネクタイ着用のドレスコードがあり、大人の施設ですが、少し離れるとスロットマシンだけの気軽な遊技場もあります。
 

フェルディクリニック 


 
リンパ浮腫治療で有名なフェルディクリニックはドイツのシュバルツバルト(黒い森)のヒンターツァールテンという場所にあります。世界各国からリンパ浮腫の患者さんが入院治療を受けに来ます。
ヒンターツァールテンはドイツ南西部に位置し、学生町として知られるフライブルグから電車で30~40分程度のところです。とはいえ、夏の避暑地でもあるヒンターツァールテンにはスキーのジャンプ台もあり、冬にはスキーができる高地にあります。ですので、フライブルグからはずっと上り勾配が続くことになります。
フェルディクリニックは駅から10分程度歩いた閑静な(この場所全体が閑静なのですが)場所にあります。最初に訪れた1995年の様子が1の絵葉書で、2007年は2の絵葉書です。建物が1棟増えているのが分かります。
リンパ浮腫は他の疾患に比べれば慢性的な経過が多いといえますので、このようなのんびりとした環境も可能なのでしょう。6週間程度の入院の間に、週末に家へ戻ったり、軽い外出をしたり、外食したりすることもできます。自然に恵まれたこの様な環境で入院治療を受けられるのは理想的ともいえます。日本の場合は高温多湿な気候であり、治療の際にストッキングや弾性包帯を巻くことを考えると、このような避暑地での夏の治療はドイツよりも必要なのかも知れません。
やや退屈かもしれませんが。